brake
bearing

ブレーキベアリング

特許出願中

耐久試験について


1.はじめに

ブレーキベアリングの写真

ブレーキベアリングはベアリングが回転しない状態を故意に作り、それを利用する機能部品です。
ゆえにブレーキ性能は強力であることはもちろん、長い年月(10〜15年程度を想定)に渡りそのブレーキ性能を提供しなければなりません。
そこでブレーキ耐久試験を行います。

2.試験の概要

耐久試験は実際の使用環境を反映させる必要があります。ブレーキベアリングが使用される環境は、ブレーキが作用した静止状態で繰り返し外力を受ける環境ですので、テスト条件はそのような状態を再現することにしました。

ブレーキが作用している状態で、ベアリングが動き始める回転トルク(最大静止摩擦力)より少し小さい回転トルクをベアリングに繰り返し与え、ブレーキ力が低下するか否か(ベアリングが動き始めるかどうか)を調査します。

耐久すべき目標サイクル数は110万回と設定しました。
ここでブレーキ力が低下してベアリングが動き始める要因は、大きく分類すると
1) 摩擦板の損傷、劣化
2) 摩擦板の剥離
3) 摩耗粉の発生による摩擦係数の低下
4) 上記以外の要因
などが考えられます。

3.試験装置と供試材の取付け

供試材であるベアリングはpic.1のように試験装置の基板に置かれ、その内輪は下からのボルトで固定されます。  
その後pic.2のようにひし形の板がベアリング上に置かれ、外輪とボルトで結合されます。さらにひし形の板の左右にシリンダーのロッド先端が結合されます。

この左右のシリンダーがベアリングに回転トルクを与えます。つまりシリンダーがひし形の板を押し、ひし形の板を介して外輪は回転トルクを受けるという案配です。
試験中にはベアリングはひし形の板に隠れ、見えません。

ひし形の板は数ton〜30tonに及ぶ油圧シリンダーの推力がベアリング外輪に回転トルクとして確実に与えるように板厚、形状などが考慮されています。つまり推力がひし形の板の曲がりなどの弾性変形や塑性変形に使われないように設計しています。

テスト機

pic.1固定されたベアリング

テスト機

pic.2取付け完了の状態

ブレーキへの油圧はこの試験機の油圧装置または手動ポンプから供給されます。
左右のシリンダーへの油圧はこの試験機の油圧装置から交互に供給されます。その供給時間や左右シリンダー交互の油圧切り替え時間は制御盤で設定可能です。

つまり供給時間を4秒、切り替え時間を0.5秒に設定すると、手前のシリンダー(A)に油圧が4秒供給された後、切り替え時間0.5秒後に奥のシリンダー(B)に油圧が供給され始めて4秒間供給され、その後切り替え時間0.5秒後に再度、手前のシリンダーに油圧が供給されるというサイクルを繰り返します。ちなみにこれは実際に行った耐久試験条件です。

制御盤には2つの油圧シリンダーに油圧が供給された回数がカウンターに表示されます。もちろん24時間ノンストップの連続運転ですが、それでも110万回耐久するには約2ヶ月を要します。

なお、実際の試験の様子を2分ほどビデオ撮影しました。臨場感溢れる試験映像はこちらから

4.試験結果

   ここ