brake
bearing

ブレーキベアリング

特許出願中

耐久試験について


4.試験結果

耐久試験に供試したのは外径630の通常型で、試験条件及び結果を下表に記します。

結果から言えば、“無事耐久、目標クリア!”です。

・試験条件について
試験条件について簡単に説明します。
ブレーキ圧力は9.8Mpa(100kgf/cm2)です。
左右のシリンダーの加圧力は、上記ブレーキ圧力をかけた状態でベアリングが動き始める直前の加圧力3.5Mpaとしました。

このシリンダー加圧力3.5Mpaによるシリンダー推力は27.5kNで、ベアリングに与える回転モーメントは23.4kN.mと計算されます。
この回転モーメントをベアリングに左右から繰り返し与え、目標の110万回までベアリングが動きださない状態を保ち続けるかどうかを調査します。

・試験結果について
試験結果は目標クリアです。(クリアしたので試験は打ち切り)
110万回までベアリングは動き出すこと無く静止したままでした。

試験後に驚きの結果が

試験後に再びブレーキトルクを調査したところ、なんと試験前に比べて約3倍もブレーキトルクが向上していました。(下図参照)
これにはさすがに驚いて何回も測定し直しましたが、測定データは変わりませんでした。図はその平均値(n=3)をグラフにしたものです。

耐久試験で接触面がなじみ、3〜5割は向上するだろうと思っていましたが、”オーダーが違う”というまさに想定外でした。
得られたデータから静摩擦係数を逆算すると、耐久試験前後では、0.2→0.55に変化しています。

これがなじみの効果というものでしょうか!?
恐ろしいものです。
摩擦材のカタログには動摩擦係数は0.4という値が載っていることから、耐久試験後の静摩擦係数0.55は妥当な数字で材料同士の真の静摩擦係数であろうと考えています。
ちなみに試験後の慴動面を見てみましたが、目視で見る限りどんなに目を凝らしても、形状、表面性状(アラサ)など寸分違わず試験前と一緒に見えました。


引き続いて試験をおこなっています。次回UPはトライボロジーの世界がかいま見れそうです。